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土祭・私的アーカイブ③
地域で共有を
『土祭読本 私たちの風と土』

2014年9月に町内全世帯に配布『土祭読本 私たちの、風と土』企画制作
デザイン|TRUNKさん 写真|村田昇さん、矢野津々美さん、山崎愛さん、篠原泰三さん

行政の考えや事業を、どのように住民の皆さまへ伝えていくか?
どの地域でも、どんな取り組みでも、真摯に地域に向き合おうとすればするほど、付いて回る課題だと思います。ましてや「一部の町民のためのイベント「税金の無駄遣い」「よくわからない」と、初回からご指摘も多かった土祭ではなおさらです。
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前回の記事②で触れたように、総合プロデューサーを置かず、町内の風土理解を進めながら、そこ依って新しく作り直していこうという過程では、祭りを作るプロセスから、情報伝達・共有がとても大事。
町では、町外への情報発信の前に、しっかりと町内で伝えていく努力を・・・ということで、1つは、「益子の風土・風景を読み解くプロジェクト」を進めながら、各公民館で開催する「つどい」の場(集まりそのものがメディアです)を大切に、そして、もう1つ、文化庁の助成金を活用して全世帯に配布する「読み物」を作成しよう、ということになりました。
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企画・編集を担当するにあたっての編集方針
子供からお年寄りまで、土祭の意味や、祭りを作るプロセスを、「私たちが持っている歴史や文化の積み重ねや、さまざまな資源は宝だ」という、郷土への誇り(シビックプライド)を感じていただけるように、2014年夏までに進めた「風土・風景を読み解くプロジェクト」の全町概要調査で見えてきたことと、益子の歴史や文化の姿を、誌面に落とし込んでいこう・・・ということでした。
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1冊の構成として
第2回の土祭2012で明文化したコンセプトコピー「益子の風土、先人の知恵に感謝し、この街で暮らす幸せと意味を分かち合い、未来につなぐ」のそれぞれの概念を用いて、4つの章立てに。以下、写真も交えながら、構成を紹介しておきます。


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『土祭読本 私たちの風と土』 2014年9月1日 
発行|益子町 企画制作|観光商工課土祭事務局 デザイン|TRUNKさん
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「益子の風土、」
  第1章 特別寄稿 廣瀬俊介「益子の風景を通して風土を読む」
     「土」これまでの土祭で行なった、益子の土を用いた表現を紹介
「先人の知恵に感謝し、」
  第2章「杜」益子の寺社や、そこで行なった表現を紹介
     「手」手仕事と民藝運動の精神 
      特別寄稿 濱田友緒「濱田庄司 プラスの生活」
「この町で暮らす、幸せと意味を分かち合い」
  第3章「伝」伝えてわかちあう伝統芸能や祭り
     「継」一度、途絶えても再び作り、繋ぐ力
     「新」新たに生まれた、風土に根ざした、
        この土地で生きることの祭り
「未来につなぐ」
  第4章「芽」わたしたちの手で、種をまき、未来につなぐ