萃点の中心へ想像を放つ
『ユリイカ4月臨時増刊号
-総特集マヒトゥ・ザ・ピーポー総特集-を手にして
昨年購入した、GEZANの日比谷野音単独公演のDVDの「包装紙」として送られてきた
新聞にこのフレーズを見出して、徐々に徐々にしっくりとしてきて、私の今年の公私のテーマになっている。
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4月初め、大腸内の内視鏡検査&ポリープ切除と坂本龍一氏死去の知らせと、添谷書店に注文していた『ユリイカ 4月臨時増刊号』(青土社)は、ほぼ同時にやってきた。
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ユリイカは、マヒトゥ・ザ・ピーポー総特集。「GEZAN あるいはカオスの蠢動」というサブタイトルが付いている。芳賀赤十字病院に行く前に書店で受け取り、この赤い本を手に、軽い鎮静剤(後に麻酔)とともに身体の中に異物が入り込んでくるという体験に臨み、終了後、1時間の安静を命じられたベッドの上で、巻頭の「ろんぐろーんぐあごう」と題された、奥田愛基氏が聞き手となったインタビューを読み始めたのだった。
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それから約1週間。277ページの赤い本を、1日の終わりや、たまに朝に少しずつ読み進めている。この読書は、リアルでもニュースでも見えてくる魑魅魍魎の蠢動から少し距離を置き、軸を正気に戻すような作業のようでもある。
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マヒト氏を語る執筆陣が素晴らしい。冒頭のロングインタビューを読み進めながら、時々短いものを読んでいる。
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赤い本の最後は「トライブをめぐって」と題して4名の方が文章を寄せている。芸術人類学の石倉敏明氏、民族音楽研究者とも云えそうなノンフィクションライターの大石始氏、など。
ここは、最後に読もうと思っている。その頃には、赤い本を傍におき芳賀日赤の処置室ベッドの上で初めて体験した「私の内臓」の中で蠢く圧痛を受け入れた時の「私の意識や感覚」も、言葉として落ちてくるような、そんな期待もあったりする。
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萃点は、自覚的に生きていないと見えてこないと思う。
萃点を見出し、萃点の中心へ想像を放つ。
年度初めの備忘録として。
「萃点」は南方熊楠の造語のようです。
「萃」は、集めるとか集まるという意味を持つ漢字。
追記1
GEZAN with Million Wish Collective「萃点 / SUITEN」
https://www.youtube.com/watch?v=dunl9piJ3oI
追記2
ユリイカ4月臨時増刊号:執筆者はこちら青土社のページで
http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=3793&status=published
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今夜は、統一地方選のニュースを確認しながら、政治学者・五野井郁夫
さんの「戦争に抵抗する音の公共圏――GEZANと「NO war 0305」」を読もうと思う。