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永久機関のネジを外せ

20230815
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永久機関のネジを外せ。
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太平洋戦争末期、有田など陶磁器の産地では陶製の手榴弾づくりが行われていた。益子町でもその記録があり(益子町史「通史」編)古道具店に並べられる時もある。数ヶ月前、友人から「これは簑田さんに持っていてもらいたい」と渡され、苦笑いしつつ、ありがたく受け取った。

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君たちはどう生きるか

君たちはどう生きるか

スタジオ・ジブリ最新作、一昨日、劇場で観てきました。

宮崎駿監督には、1996年に、朝日新聞社の某月刊誌の仕事でインタビューをさせていただいた。その際の、私の質問への宮崎さんのお話、そして、インタビュー後、鈴木敏夫プロデューサーとのやりとりは、20年以上経っても、私の中で色あせず、「社会」を見る視点、そして「伝える」姿勢の軸になっていて、同時に「それでは、私は、どう生きるか」という「問い」に繋がっている。

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萃点の中心へ想像を放つ
『ユリイカ4月臨時増刊号
-総特集マヒトゥ・ザ・ピーポー総特集-を手にして

昨年購入した、GEZANの日比谷野音単独公演のDVDの「包装紙」として送られてきた

新聞にこのフレーズを見出して、徐々に徐々にしっくりとしてきて、私の今年の公私のテーマになっている。
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4月初め、大腸内の内視鏡検査&ポリープ切除と坂本龍一氏死去の知らせと、添谷書店に注文していた『ユリイカ 4月臨時増刊号』(青土社)は、ほぼ同時にやってきた。

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うん10年めの卒業論文
現代社会の聖俗遊
-RIDER AND INSIDER—

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卒業の春に:若い人たちへのメッセージ
うん10年前の簑田の卒論(一部)を公開します
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ご卒業おめでとうございます。今年度は、小山市の委託業務や栃木県の中山間地魅力発信事業、カマガワ界隈での取り組みなどなど、多くの若い皆さんには、ほんっとにとてもとても良い刺激をいただきました。
ここでは、昨年、うん10年前の自分の卒論を振り返る必要性を感じて、当時は手書きだったものをデータ化したというエピソードをお伝えしたいと思います。

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2022/2023 
繰り返す「戦前」を
どう生きるか(前編)
エルピス、松本清張、
日本の黒い霧

家族の話をしようと思う。
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写真は、亡父のアルバムにあった古い一枚。右から大津留久(長男)、大津留昇一(次男・父)、大津留幸夫(三男)。いずれも戦前戦中に福岡県福岡市で生まれている。戦後に生まれた大津留真(四男)は、この写真にはいない。

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地方都市JR駅界隈の
没個性化

あ、おばあちゃん。もうその、うちのスタンプカードは使えないのよ。この前まで張り紙してたでしょ。ほらこれ、JREの、緑のカードに切り替わっちゃったから。
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2018年ごろだったと思う。関東某地方都市の駅ビルのお茶屋さんで聞こえてきた店員とお客さんの会話。今、ちょいと調べてみるに、JR東日本が駅ビルでも使える共通のJREポイントカードを発行したのが、2018年の7月。冒頭に紹介した会話は、ずっと気になっている。なぜか?どこの駅ビルでも使えるポイントカードの普及とともに、そこここの駅ビルも没個性化が急速に進み始めたような気がしているから。出張であちこち出かける私の「気がしている」だけで、根拠もデータもない。https://www.jrepoint.jp/point/first/

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9月の閣議決定

9月に入りました。おはようございます。
本来であれば、国会審議を十分に尽くすべき案件のところなんでもかんでもさくっと閣議決定されてしまう昨今、そんなに軽い物なら我が家もしてみむとてすなり、閣議決定とやら。
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生物多様性の日に


今日は「国際生物多様性の日」だそうだ。
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朝、そのことを書いた記事と、国内でのコロナ感染者への嫌がらせが起きている記事、そして、スペインだかどこか、国名は忘れたけれど、入院していたコロナ感染者が帰宅した際に、近所の人達が拍手で出迎えた、という記事を読む。

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上ノ事務所ニ居リマス

2020年3月に、宇都宮大学の文部科学省助成金事業メンバーとしての4年間の勤め人生活の年季が開け、再び野に放たれました。
思えば、2012年2月からの4年間を益子町観光商工課の臨時職員(のち任期付)として働き、通算で、8年間、地方創生事業の現場にいたことになりますが、その過程では・・・いや、ほんとうに色々と・・・(以下略)

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言葉をとりもどせ。

復興って、なんだろうね。
どういう状態を言うのだろうか。
絆ってなんだろうね。
どういう関係性を言うのだろうか。
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先付けされる言葉は、信じるな、使うな。
後付される言い訳には、耳を貸すな。
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実体があれば、
地の底から、足下から、言葉は湧いてくる。
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帰り道の農道で車を止めて仰ぐ月。

20200311

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2019年という節目の年に、絵師・飯田団紅氏に意匠をお願いして、
廣瀬組(風土形成事務所+地域編集室簑田理科事務所)の手拭を作りました。
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2案、図案を送ってくださった際に、廣瀬氏が唸りながら発したコメント。
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「風景の図像化という点から見ても初めて体験するものと感じました。東洋的直観を、ほとんどの人は表層的にしかとらえられていないのに、そうではなくて体現し表出させられているような感じもしました。大変な才能の人です」
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意匠:飯田団紅 氏
http://seppukupistols.soregashi.com
制作:越後片貝 紺仁
http://www.konni-aizome.com

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「憲法は実行するものです」 
中村哲さんの訃報に_2

中村哲さんの訃報に、多くの人が、(彼の地の人たちも、こちらの人たちも)涙にくれる日々が続いている。ある人は、SNS で「中村さんのことは忘れません」と投稿し、ある人は、国内外のさまざまな情報をシェアし続け、悲しいね!と涙を流す顔のマークがいくつも押されていく。ある人は、政府筋が、中村さんの死に際して対応が冷たいと、SNS で憤る。
日本でのらりくらり過ごす私が「忘れない」とは、どういうことだろうか。
凡庸な私が「志を受け継ぐ」とは、どういうことだろうか。
書籍も読み、ドキュメンタリーも拝聴し、大学の講義では、授業の1回分で、ペシャワール会の活動を紹介してきた。しかし私は多分、1年もすれば、いまの喪失感も何かで埋め合わせていくし、ペシャワール会に寄付をしようと思ったことも忘れていく。
しかし私は・・・。
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敵も味方も自分の中に 
中村哲さんの訃報に_1

ペシャワール会代表、中村哲さんの訃報に接して
木内みどりさんに続き、歩む道の前に灯っていた希望の灯火が、
またひとつ消えてしまったような、大きな喪失感を感じている。
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著作から、ドキュメンタリー映像から、
そして何より現実の「行動」から学ばせていただいたことは、
はかりしれない。

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秋田音頭2019バージョン

母親が、民謡と三味線を演り詩吟の教室を開いていたということもあり、近年、そのあたりに回帰している簑田です。民謡で歌われる「言葉」には、固有の土地ならではの「価値観」も見えてきて、学ぶこと多し!(写真は『唄めぐり』石田千・著 新潮社)。最近のマイブームは、秋田音頭。通勤時のお供CD民謡大全集2枚組でもついついラップ的にくちずさんでしまう。めっちゃいいですよね、
通勤途上、車の中では、CDにあわせて「2019バージョン」で歌っております。

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退行感覚

我が家の老犬は、去年まではできたことが
ひとつずつできなくなってきている。

そのひとつが、
ソファにひとっ飛びに飛び乗ること。

もうひとつが
自分のトイレで(大)をすること。

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関係性について 
高橋恭司展、終了

ヒジノワ高橋恭司展
思い出には色や形そしてにおいはあるのだろうか

9日間の展示期間でしたが「ここを目指してきた」という面持ちの実に多くの方にご来場いただき、本日24日に閉会しました。鷲尾和彦さん(博報堂クリエイティブプランナー・写真家)を聞き手に迎えて開催した、22日の高橋恭司さんとの座談の会の内容については、またあらためて報告の記事を…と思います。

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これは東アジアのプライドの問題です

学ぼうと思う時、ドキュメンタリー映画を自宅で見る時、一時停止ボタンを繰り返し押しながら、ノートをとりながら、映像を見る。やたら、時間がかかる。しかし、映像から、歴史から、識者から学ぼうと思う時、そうしている。

2017年9月21日 日本時間未明、つまり国際平和デーのその日に、私たちの国の(一応)代表が、国連で演説をした。「北朝鮮に必要なのは対話ではなく圧力だ」と時間のおよそ8割を費やして、平和国家という立ち位置を(かろうじて、まだ私たちはそこに軸足をおいていたのに)完全に、捨てた。その記念すべき、アンピースフルデイに、ノートの1ページから、いくつかの言葉を書き写す。
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生きる上で大切なことは、
すべて私たちの憲法に
書いてある

5月3日は、憲法記念日。写真は、5月の麦畑と境界木のウツギ。今日は、みなさんは、どんな1日を過ごされたのでしょう。来年の今日は、どうでしょう。10年後の今日は、どうでしょう。50年後の子どもたちは、どうでしょう。日々、加速度的に「課題」が増え続ける世の中(と、私は認識しています)ですが、やはり、加速度的に、草の根的に、大切な人たちとの繋がりが、この季節の木々の緑の、たしかな生命力で伸びていく葉脈のように伸び、繋がり、重なりあっていくのを、感じています。ありがたいことです。
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ここにあるもの。

ひとつ歳を重ねた日の半日と、その次の日を、いま、ここにあるものを丁寧に見つけ出していく、という行為に使った。それは、庭仕事のこと。
山の麓の一角を自然を相手に間借りするつもりで、地主さんから土地を借り小さな住処をこしらえさせてもらって…2年と半年が過ぎた。この土地に巡り合ったときは、もう更地に戻っていたのだけれど、その2年ほど前までは、ここで40年の日々を過ごした家族がいたと聞いていた。最後の数年は、夫に先立たれたご婦人が一人で暮らし、長野に住む娘夫婦のもとへ移り住んだと。
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角煮を起点とする
言葉と本質の諸問題。

だれかが次に発する言葉、というものは、簡単に予測されるものらしい。

2012年に始まった、私のipad生活。メールで、「おね」と打つと、なぜか真っ先に「お姉さん」がでてくる時代があった。都内へ向かう湘南新宿ライングリーン車の中で「これから初めて会う人」に(もちろん仕事の)「それでは、本日よろしくお姉さんします。」と送ってしまったことがあった。この話はけっこうあちこちでしていたのだけれど「お姉さんチェンジ!」と追い返されることもなく
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私が私を
風化させないために。

2012年の3月11日に書いた文を、5年後の今日、再録します。

311 for myself(2012.0311Facebook投稿より)
…………
毎年中身を新しくして、もう10年は使っている手帳もずいぶんと色が落ちてきた。2011の夏、青森で貼った「頑張ろう東北」のシールは去年の暮れにはがれてしまい、プロジェクトFUKUSHIMAのステッカーも、半分ほどはがれそう。
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暗躍予定
石積み団!の巻

雨ニモマケズ

風ニモマケズ

痛風ニモ腰痛ニモ筋肉痛ニモマケヌ

丈夫ナカラダヲモチ

慾ハナク

決シテ瞋ラズ

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守るもの守られるもの

アルバムに残っていない、つまり時を経てから写真を見ることで追体験し記憶してきたわけではない古い記憶で、うすぼんやりと思い出せるのは、小さな水辺(たぶん小さな池)のほとりに作られた木造のお堂のような…そしてそこにあった、聖母マリア像。みんなとお揃いの小さな丸い襟の白いブラウスを着た私は手を合わせて「お守りください」とお祈りをしている。カトリック教の幼稚園児だった頃の記憶。小さな手を合わせることで得られる安心感。守られている。守ってくれる存在がいる。
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毎日毎日、担任の先生から出される宿題。
宿題なんてめんどくさいものは、無いほうがいいにきまってる。
だが、山田りりか(小三)の場合、
宿題は、青春のすべてを賭けるに値するものだった。
ごくごくありふれた、ふつうの宿題が彼女特有の思い込みによって、
毎回、はげしく脱線していく。
それでも、いつも先生のチェックは、クリア。
彼女は一度も宿題を忘れたことがない。
最高の内容を提出する、宿題女王なのだから。

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コトバの国のコザルたち4
「シーザーサラダにさつまいもは入れるか?」

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「また、あのサラダ食べたい!」
次女メグが、突然目を輝かせて言う。
「あのサラダって?」
「クリントンが入ってるやつ!」
「クリントン? そんなの入れたサラダ作ったっけ?」
まあ、ほんとは何を言いたいのか、速攻わかってしまったとはいえ、
すぐ訂正したら、面白くないじゃないかー。

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コトバの国のコザルたち3
「呼び方の件につきまして」

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「今日から、ママって呼ばない!」

四月から高校生になった(漢字は書けなくても)長女が、
突然、こんな宣言をした。
たかが呼び方、されど呼び方。一応、抵抗を試みてみる。

「別にさあ、外では『おかあさん』とか『母は』とか、
使い分けができてるんだから、今のままでいいじゃん?」

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コトバの国のコザルたち2
「銀河系のストーカーブルース」

「ママが好きでも、まりなは嫌いなの!
ママとまりなの好きは違うの!」
3歳くらいの女の子が、スーパーのお菓子場で
母親に必死に議論をふっかけている。
どうやらどのお菓子を買うかで意見が分かれている様子。
まあ、よくありがちな昼下がりのスーパーでの光景だけど
それにしても、まりなちゃんの立派な論戦ぶり。

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コトバの国のコザルたち1
「コザルは騙して育てよう」

どうしてママは犬じゃないの?
どうして空はおっこちてこないの?
どうしてウサギはウサギなの?

コトバを覚え始めたコザルたちの素朴な疑問にどうこたえるか?
これがけっこうめんどうくさかったりするわけです。

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