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連続セミナーの
広報を担うこと

宇都宮市の中心市街地に拠点を置く、まちづくり団体「釜川から育む会」代表の中村周さんの依頼を受けて、当会が、宇都宮市などの協力のもと開講する「カマガワクリエイティブスクール」の広報などのお手伝いをしています。今回は、その「広報」をどのように組み立てているかを記しておきたいと思います。若い方々や、簑田に広報のご相談を・・とお考えの方々の(いらっしゃれば、であるが)ご参考になれば幸いです。

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宇都宮市の中心部を流れる釜川沿いでは、この数年、場づくりやまちづくりの、何やらオモシロキことが続いています。カマガワポケット、ツキイチトショカン。そして5階建の古ビルをみんなでリノベして、クリティティブな拠点:アジトを作っちゃおう!という動きも始まり、あっというまにビル内に、カフェやスタジオやシェアオフィスなどが誕生しています。
そんな動きの牽引者・釜川から育む会は、2018年に、社会人や学生たちが景観からまちづくりを考えて市に対して提言のまとめまでを行う連続セミナー&ワークショップ・KAMAGAWA DESIGN CLASS(註1)を企画運営し、2019年には、「カマガワクリエイティブスクール」というシリーズ名で、4名の講師を迎えた講座を開講しています。
*註1その際に「地域ブランディング」を担当した際の記事は、こちら。

さて、今年2年目の「カマガワクリエイティブスクール」(カマクリ2020)では、企画をスタートする時点でお声掛けいただいたこともあって、人選からご一緒して、こんなことを行っています/行います。
①講師の人選を事務局に提案したり、一緒に考えたり。
②コンセプトを整理して言語化していくこと。
③内部用のコンセプトを、外向けのコンセプトコピーに転換していくこと。
④年間を通しての実施なので、第一弾の情報出しから、最終回の2月までの
広報計画・スケジュールを組むこと。
⑤プレスリリースの作成
⑥デザイナーとのミーティングに参加
⑦広報計画に沿って、SNSでの各回内容や講師紹介の作文をすること。
⑧各回のレポートを作成すること。


④以降のことについては、広報として当たり前のことですが、私が関わらせていただく場合は、②③のところに力点をおきます。そして、そのために「そもそも、この取組みを企画し実施する目的は?どう言語化していますか?」というところまで遡り、依頼主さん達と共に言語化・文章化の確認作業から始めます。
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というわけで、カマクリ2020の事務局との打ち合わせの過程で、作成した提案書の一部を下記に貼って共有します。見出しの数字などは、提案書からの一部抜粋なので、お気になさらず。
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2-1 広報媒体制作のために整理しておきたいこと
まず、昨年度との開催スタイルの違いを踏まえて「訴求」づくりの整理を行います。

ⅰ そもそも「カマクリ」を開催する目的は
2019/2020企画書より
■目的 *かっこ内の太字が簑田の赤入れです。
釜川周辺には、アーティストや、デザイナー、エンジニアなど多くのクリエイターが活動しています。(←実施エリアの状況を述べている)カマガワ クリエイティブ スクール(以下カマクリ)では、そういった釜川周辺の特徴を生かし、人々が楽しみ ながら様々な文化に触れることのできる学びと交流の場をつくります。このレクチャーイベントでは、様々な分野の第一線で活躍する講師をお招きして講演していただくとともに、(←これは目的ではなく実施概要)参加者同士の学びや交流を促し、釜川周辺に新たな文化が生み出され、よりクリエイティブなエリアとなることを目指します。(←この文のみが目的)

▶︎目的として説明されているのは、最後の一文の後半のみなので、カマクリの強みを踏まえて、もう少し補強したい。

(修正案:文章タタキ)
カマガワクリエイティブスクール開講の目的

カマガワクリエイティブスクールは、クリエイターやエンジニア、行政マン、社会人と学生など、異分野や多世代が共に学ぶ場を創出し、創造的な文化事業やまちづくりに活躍できる人材の育成と、参加者同士、あるいは講師と参加者、地域の人と参加者など、横断的なネットワーク形成の支援を目的として企画し、開講します。

強みの整理
スクールの拠点とする釜川エリアでは、主催団体や運営協力を行う「釜川から育む会」「ビルトザリガニ」「KAMAGAWAPOCKET」などが、地域の商店主の方々や宇都宮市などとともに、さまざまな取組みを展開してきており、学んだことを生かして、次のアクションに繋げやすい環境がある。「まちづくりの実践」はもちろんのこと、これまでのプロジェクトに参加した人たちで、改修が進むゴールドコレクションビルには、シェアアトリエや、ギャラリースペースもあり、常に場が開かれているので、表現者としての「作品発表」の機会にも繋がりやすい。
 K P誕生の経緯やその後の展開などから宇都宮市内では唯一、学生の出入りが町に活気をもたらしているエリアである。また以前より、クリエイティブな感性を持つ店主の個人店が多いこともあり、既存のギャラリーや美術館が企画するようなアウトリーチとは違って、社会人と学生が入り交じりながら常に何か新しいことが「自発的に生み出されていく環境」が醸成されている。


ⅱ カマクリ2020のテーマと訴求

今年度の広報上での留意点として、
昨年度:元々「K P」「ビルトザリガニ」と繋がっている人がSNSの告知で知って、または、事務局メンバーからの声かけで知って参加した人がほとんどだったかと思います。

今年度は、オンラインでの参加者を募り、紙媒体(チラシ)の配布よりS N Sなどネット上での拡散を重視することから、対象が全国へ広がる。リアルでの繋がり上での集客ではないので、なんとなくビジュアル作って講師陣の紹介を並べるのではなく、全国区でも通用するように、「カマクリ2020」としての輪郭(テーマ:コンセプト)をくっきりとさせた訴求が必要だと考えます。

これまでに簡単に整理した、カマクリ開催の目的、カマクリの強み、そして、6名の講師候補者の活動内容などから、以下の「テーマ:コンセプト」と「コピー」を提案します。

この週末に、6名の候補者、皆さんの記事などを読み込ませていただきました。
私と中村さんから候補者を出しあった6名ですが、共通していることが以下のような姿勢だと理解しました。

「既定路線、常識、世の中の思い込み、前例」というものを
 疑う。よしとしない。安易に乗らない。あえて距離を置く。反旗を掲げる。
 そして、そんな立ち位置から
「創造性」を生み出し、発揮し、更新している変革者たち。


ⅲ そこで、カマクリ2020総合テーマ:コンセプトのご提案
・変革と創造
・周縁こそ、先端!
・創造性こそ、変革を生む!
メインコピー(案)
・エッジ・オブ・クリエイション

————–抜粋引用終わり。

メインコピーについては、事務局との打ち合わせの中で、年間を通してのシリーズタイトルとして「変革と創造」「周縁こそ先端」など、コンセプトをそのまま使いましょうか、という案もあったのですが、カタカナコトバにしましょう、ということになりました。理由としては、告知の際に、必ず、下記の3点セットを併記することになります。3つ目に入る各回の講師のタイトルは、カタカナ言葉ではなく、例えば「創造的まちづくり論」など「漢字と平仮名が並ぶ」という想定で、では、メインコピーは「カタカナ言葉で」ということになった次第です。
・シリーズ名「カマガワクリエイティブスクール2020」
・シリーズのメインコピー「エッジ・オブ・クリエイション」
・各回のレクチャーのタイトル「******」
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以上、言語化や文章化のプロセスの一部をおすそ分けさせていただきました。
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今年は、オンライン開催(若干名を収録スタジオ参加募集あり)のカマクリ2020。ぜひ、ご参加ください。「創造性」は、特に限られた領域の人のものではありません。あらゆる営みに「創造性:クリエイティビティ」を!
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https://kamakuri2020.peatix.com/