メインビジュアル画像

栃木をどう伝えるか?
月刊『地域人』77号
「しもつけ音頭紀行」
担当しました

本日2022年1月11日発売の月刊『地域人』(発行:大正大学出版会、編集:大正大学地域構想研究所)77号 特集「地域のタカラ」にて、「栃木のタカラ」8ページを担当しました。

『地域人』編集部の山﨑範子さん(憧れの元「谷根千」編集部)よりお声掛けいただいて、企画・構成・取材・執筆・撮影(提供写真以外)で、「栃木のタカラ」8ページを制作しました。12月中旬に校了し、1月11日に無事に書店に並んでおります。
.
特集「地域のタカラ」は、滋賀・鹿児島・愛媛・埼玉、そして栃木の5県それぞれ8ページで構成される特集です。栃木の8ページは、企画からお任せいただいたので、私自身の「編集的思考」の確認と更新ができたという意味でも、実にありがたい機会でした。
.
栃木のページ概要
>タイトル:栃木のタカラ しもつけ音頭紀行
>メインビジュアル:飯田団紅さんへ依頼
>編集方針:その地域に歌い継がれる「民謡」の歌詞を案内人として、そこに歌われるタカラを、さまざまな関係性を読み解きながら紹介しています。
1栃木市西方町|西方櫓音頭×西方Tシャツ(にしかた有志の会)
2小山市・壬生町|干瓢音頭×ふくべ のスピーカー フクッチ
3真岡市|真岡音頭×真岡木綿(真岡木綿工房)
4佐野市|大門音頭×出流原弁天池(いもフライ・地ソース)
5日光市足尾町|直利音頭×唐風呂大根(たねまきびと@足尾)

飯田団紅さんに描きあげていただいた扉絵は、お送りいただいた時点から、こちらのテンションも上がりまくり、絵の表現を受けて、こちらの記事執筆にあたっての考えがさらに導かれると言いますか、深まると言いますか、編集界隈長く仕事をしていますが、初めての体験でございました。最高です!

——–
今回、取り上げた5つの地域とタカラ、その共通性、なんとなくお察しいただけるでしょうか?
このブログ記事では、「単なる情報(ものごと)を並べただけ」ではなく、しっかり編集を入れて制作した(つもりの)思考のプロセスを記しておきます。メディア制作に関心を持つ、あるいは、編集や取材執筆の仕事をしている「若い世代」の皆さんの参考になれば幸いです。
.
編集部から「栃木のタカラ」とオファーをいただいて、まず考えたことは、3つの「そもそも」です。
①そもそも、栃木をどう伝えるか?
②そもそも、「タカラ」とは? タカラをどう定義づけるか?
③そもそも、「タカラ」は、どこにあるか? どこで出会えるか? 

この3つのことを、私が知り得ている具体的な「タカラ」を思い浮かべながら、 具体性と、そこに在る普遍性を見出しながら、行ったり来たりして考え続けます。

例えば・・・
地域のタカラって、地方紙の誌面を探せば、そこで出会える? 地域のタカラって、地方創生の時代に、ぽっと出てきて、もてはやされているようなこと? メディアで取り上げられていないけど、地味だけど、きらりと輝いているものごともタカラ? いやー、何か違うなあ。それだけじゃ軽いなあ・・・。
.
そもそも、地域のタカラって、名産品にしても、景勝地にしても、その地域の人の気質にしても、みんな、ご当地の「民謡」に歌われているんじゃんねー(と、思うのは、私が民謡愛好者だからですが)。それをもう一回、確認することから始めてみたら面白いかも・・・などなど、頭の中でグルグルまわします。
.
というわけで
①栃木をどう伝えるか?
各市町の発信は横に置いといて、「栃木県」として考えたときに、その魅力や価値が十分に「整理できていない」と常々感じているので、その辺りもいろいろ可能性を探りながら・・(このことはまた別の機会に)
②タカラはどこに在る? 
県内に唄い継がれる民謡の歌詞にあたり、タカラに出会い直してみる・・・という時間を作りながら、
③タカラとは?を
・今の時代に新しく作られたものでも、時代背景や先人たちの営みの積み重ねを継承しているもの
・その地域の気候風土の中で、天然資源と人の生業や産業がうまくつながり循環している中から生まれたもの
・長い年月をかけて育てられてきた生業とか営みが廃れても、現代の人の手で復活されてきたもの、次世代への継承が試みられているもの・・・・と、整理していきまして、ぼんやりと「継承」と「循環」「人のつながり」というキーワードが見えてきました。
.

という思考の先の、5つの地域とタカラの掲載です。
.
ぜひ(通販もあるけれど)地元の書店で(なければご注文の上)お読みいただければ幸いです。今回の栃木ページでは、編集部からのご提案で、それぞれの民謡の音源が聴けるYouTubeアカウントなどへのQRコードも掲載しています。
他の県も、連載も充実の内容でございますので、ぜひ!
.
最後に、そんな思考のプロセスを、編集部と共有するために作成した手書きのメモや簡易企画書などもちらりと掲載しておきます。