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これは東アジアのプライドの問題です

学ぼうと思う時、ドキュメンタリー映画を自宅で見る時、一時停止ボタンを繰り返し押しながら、ノートをとりながら、映像を見る。やたら、時間がかかる。しかし、映像から、歴史から、識者から学ぼうと思う時、そうしている。

2017年9月21日 日本時間未明、つまり国際平和デーのその日に、私たちの国の(一応)代表が、国連で演説をした。「北朝鮮に必要なのは対話ではなく圧力だ」と時間のおよそ8割を費やして、平和国家という立ち位置を(かろうじて、まだ私たちはそこに軸足をおいていたのに)完全に、捨てた。その記念すべき、アンピースフルデイに、ノートの1ページから、いくつかの言葉を書き写す。

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『映画 日本国憲法』
ジャン・ユンカーマン監督作品
2005年劇場公開 製作国/日本
公式サイト→こちら
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日本はもっとアジアの民衆を理解すべき。
15年戦争で、2000万人が死んだ。
あの小さな村々で、街で、
どんなことが行われたか、
戦争に行った人は知っている。
あの当時の中国の人たちの気持ちが痛いほどわかる。
……日高六郎(社会学者、1917生まれ)

アジア各国が、日本への不信感をかろうじて抑えてこられたのは、
憲法9条のおかげです。
……ハン・ホング(韓国:聖公会大学人権平和センター所長)

日本は、北朝鮮の脅威を理由に、再軍備を主張していますけれど、
あれだけ経済的に困窮する北朝鮮が、日本を攻撃できるとは
誰も思っていません。
日本は、東アジアの平和構築に貢献すべきです。
21世紀の東アジアは考え始めるでしょう。
なぜ自力で平和を築けないのか?
なぜアメリカに平和を委ねなければいけないのか?
これは、東アジアのプライドの問題です。
…… カン・マンギル(韓国:歴史学者)

世界市民が、自国の政府に強いる規範ー国連憲章。
日本は、そこから遠ざかろうとしている。
…… ノーム・チョムスキー(アメリカ:言語学者)

日本は、第2次大戦後、対戦中の侵略を謝罪していない。
ドイツのように謝罪すべきだ、という声もあり、批判を受けている。
私の考えでは、第9条が日本の謝辞であると。
アジア諸国に対して、日本はこう宣言したのです。
30〜40年代の日本の軍事的行為を恐れることはありません。
最終的に自衛のため以外の武力をすべて放棄します、と。
つまり、9条の放棄は、謝罪の否定です。
そうなれば、中国が東アジアで、
日本の謝罪についての問題が再燃します。
戦争犯罪の重さを理解していますか?
…… チャルマーズ・ジョンソン(アメリカ:アジア政治学者)

第9条ということを、積極的に世界の人々に
発信すべきだと思うんですよね。
まず、アジアの人々に、日本の中にも
こういう考えの人がいるんだということを伝えるべきです。
憲法改正問題は、国内の問題にしちゃだめですよ。
国際問題ですから、特にアジアの問題。
それが一番重要なことなんです。
…… 日高六郎

最後に
このドキュメンタリーの中では、
シリア・ダマスカス難民キャンプのパレスチナ人男性が
カメラに向かって、熱をこめて、
こう話していたことも、忘れないでおこう。
*
日本は、戦争で世界で一番苦しんだ国ですよね?
アメリカに原爆を落とされたのですから。
ですから軍隊を派遣して、
親のない子をつくるようなことをしてはいけません。
日本国民はそんなこと、望んでいませんよね。