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1月5日に台湾で発売され、早くも「重版」となっている
書籍『地方設計:LOCAL DESIGN』 に、
地域編集室簑田理香事務所の仕事を掲載していただいています。
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著者は、蔡奕屏(サイ・イーピン)さん。
台湾から来日し、千葉大学の大学院でデザイン文化や地域振興とローカルデザイン、関係人口などのリサーチや研究を行いながら、翻訳や記者としても活躍中!
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本書は、出版社のサイトにある文章をそのまま引用しますと・・・
「土地の魅力を引き出し、地域の価値を掘り起こす。
トップデザインチームのノウハウを大公開します!」とあります。
→ 書籍のサイトは、こちらへ
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章立ては14章からなり、
ローカルデザイン界の大御所、梅原真さん、ナガオカケンメイさん、服部滋樹さん、それから、TSUGI・新山直弘さん、akaoniデザインの小板橋基希さんなどそうそうたる顔ぶれの、末席・14章に、あなたどなた?という感じで、栃木の小さいおばちゃんが所在なさげに、ちょこんと座っている感じです、笑。
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320ページにも及ぶ労作・大作で、しかも内容の充実ぶりが素晴らしい。
日本によくありがちな(失礼!)カタログ的な編集ではなく、言語がわからない(読めない!)のだけれど、挿入されている概念図などから、取材対象者への著者の深い考察が隅々に行き渡り、具体と概念化の往来が重ねられていることが見て取れます。日本語版の出版の可能性もあるとのことですが、ぜひ!
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さて、今回、自分のウェブサイトに記録するにあたり内容を理解するために「ましこのうた」でご縁ができた、田島綾子さん@広島にお願いして内容を翻訳していただきました。(あやこさん、ありがとう!)
◎工芸の産地やデザインに関心があった蔡さんは、土祭2015を訪れてくれていたこと。都内の書店などで『ミチカケ』も知り、関心を持っていてくれたこと。
◎「あとになって分かったのは、土祭や、土祭がきっかけで発足した古民家を再生したコミュニティースペース「ヒジノワ」、そして『ミチカケ』も、益子の魅力を結集した活動には全て彼女が関わっているということ。それが『ミチカケ』の編集人ー簑田理香さんです」と、書いてくれていること。
◎私が仕事仲間たちと行っている活動の様子を、「人の想いが中心にあり、それを大切にしながら、企画・編集・デザインの力を発揮している」と、受け止めてくれたこと。そんな仕事のあり方は、台湾のコミュニティ型組織とも通じるところがある・・と。
◎また、宇都宮大学で開講していた「地域編集論 ―地域振興と内発的情報発信」での「編集的思考」も、「台湾のローカルコミュニティで活動している人たちに、共感とインスピレーションをもたらすはずだ」と蔡さんが考えてくれたこと。
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なかなか自分の仕事のありようを客観的に省みる機会はないものですが、今回の書籍掲載は、研究者でもありライターでもある著者・蔡さんの視点を通して、『ミチカケ』や『益子の風土・風景を読み解くプロジェクト』などで、丹念に、丁寧に、「人の暮らし」「暮らしの中での思い」を受け止め、編集的思考でその先を組み立てていくスタイルは、少なくとも間違ってはいなかった、と、思えることができました。引き続き「そもそもの足下から、そのさきの未来へ」、精進していきます。
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