子育てと仕事が
両立できる社会がいい

倉澤範子

宮城県仙台市
仙台市認可保育園(社会福祉法人)勤務
管理栄養士 

ボランティアで、せんだいこども食堂キッチンチームで活動しています。こんなにも情報はあふれているのに、正しい情報を掴み取ることが難しくなっていることを感じます。仕事でもボランティアでも、食を通して、子どもとの生活の楽しさを伝えていきたいと思っています。

小さな子がいるだけで大変なのに、働きながらの子育てはさらに忙しそうです。もう少し余裕が持って、子育てと仕事の両立ができる社会がいいなと思います。正社員か、パートタイムかの選択だけではなく、もっと多様な働き方が認められ、広がることを望みます。

草の根民主主義

小野寺さちえ

栃木県市貝町
爽菜農園、さとやま百姓学舎・代表

自然豊かな市貝町で百姓しています。農と子育てと暮らしと町づくり、研修生受け入れ、海外農業技術支援などなど、自分の身近なところから心と身体が豊かになる輪が広がったらいいなと思っています。農業と暮らしが切り離せないように、暮らしと政治も切り離せませんが、政治が変われば暮らしが変わるのではないと思っています。世の中をガラッと変えてくれるような救世主を夢見ていてもいつまでも変化は訪れない。

近所のおじさんと会話し、自治会の皆さんと対話し、町の話し合いに参加し、議員さんと友達になり、町長と一緒に畑で汗を流す。こちらの意見を押し通さず、相手の話も聞きお互いに色々な考えがあることを分かり合った上で、一緒により良い方向を模索していく、その連鎖が遠くのおじさん(政治家とか)も変えていくのかなと。足元から作り上げる「自治」。それが暮らしとつながる政治だと思っています。(撮影:柴美幸)

暮らしアプローチと
課題アプローチ

森 良

東京都豊島区
NPO法人エコ・コミュニケーションセンター代表

コロナ禍の教訓の一つは「人や物を大きく動かさなくても近いところで融通しあえば生きていける」ってこと。それと「仕事より生活を重視する」人が増えたこと。暮らしアプローチの人が増えれば地域や暮らしが変わる。  
コロナで死ぬ人は貧困層が多い。圧倒的な貧富の差をなくさなければ感染症は終息しない。

だから課題アプローチも必要だ。「誰一人取り残さない」と。  
生活者のわたしのなかで暮らしアプローチと課題アプローチは一つのものとして身体化される。なぜなら人間の身体は600万もの菌や微生物との共生体だから。つながりで生きるのが人間だから。
考え、対話し、共に動く。共に生きる社会、世界に向けて。

野菜をとおして
みえるかな

飯塚仁美

栃木県宇都宮市
おすそわけ八百屋

撮影:柴美幸
子育てを自然豊かな里山でと宇都宮と里山を往来する暮らしの中で、小さいながらも大地と命を守る農業を営まれる方にたくさん出会いました。生産者さんの手だけでは、丁寧に作られた野菜の行き場に限界があることを知り、この往来を利用して、生産者さんに代って、野菜のおすそわけをしています。 

スーパーに行けば、どんな野菜も季節を問わず買える時代です。命の源である野菜が、どんな風土で、どんな人が作り、どんな種を選んでできたのかわからぬまま口に入ってしまうのは、なんだかそれぞれの命に申し訳ないですよね。自分の家族だけでなく、共に同じ時代を生きる多くの人に、もう一歩、自分の命を作る食の背景に歩み寄ってもらえたら、そこからみえる問題が自分ごとになるかしらと思いながら、せっせと野菜のおすそわけを楽しんでいます。

公教育で
地に足がついた学びを

君島佳弘

栃木県茂木町
農家民宿・パン屋 経営

里山環境の豊かな栃木県茂木町。そこに集う移住者の心地よい雰囲気に惹かれて2018年に移住し、現在は家族で農家民宿とパン屋を経営しています。暮らしもお店もまだまだ模索段階ですが、季節の移り変わりを感じられる環境と地域の方たちの優しさに支えられ、少しずつ歩みを進めています。

私が政治に求めるものは、公立学校の教育に「食」と「農」を取り入れてほしいということです。先の震災やコロナウィルスの社会への影響を経験し、私たちは、人が安心して暮らせる社会には「食」と「農」、また、それらを支える「土」や「地域コニュニティ」が欠かせないと学びつつあります。未来の大人達の安心のために、地に足のついた教育改革を望みます。

 

人間の魂や意識はどこに?

飯沼靖博

栃木県那須塩原市
那須野が原生きものネットワーク代表
絵描き

人間社会で挫折し引きこもりの自分を救ってくれたのが自然との繋がりだった。環境保全から始め、家業に農業部門を作り、菌と生物の力をかりて野菜を作り、その営みと可能性を絵に描いている。畑の土に触れる中で、「魂や意識はどこに?」と考えるようになった。我々の体内でも生成される幸せホルモンは、元々は微生物が自身の情報伝達に使うモノだそうだ。だとすれば感情は微生物よって作られ、その集合体が魂や意識なのではないだろうか?

彼らと共生している植物にも我々と似た感情があり、ある群落での土の繋がりから現れる風景は、一つの生命体の魂や意識と考えることが出来る。我々の社会に流れる空気や政治もそんな風景に似ている。環境変化の中で、その風景をどう捉え、我々一人一人が個の微生物としてどんなホルモンを生成して行けば良いだろうか? 不安物質に振り回されず、幸せ物質を振り撒きたいものだ。

「農業」について
 国民的議論を

木下裕文

兵庫県三田市
造園業

兵庫県で造園業を営む、木下裕文です。庭を設計し、施工するにあたっては「落ち葉や勝手に生えてくる草などがお庭の風景に溶け込む、そこで物が循環していき、地域の小さな生き物が立ち寄ってくれる場所になること」を願っています。私が社会に願うことは、「農業」についての国民的な議論です。例えば、農地をどう継承していくか。

高齢化した農家さんには後継者がなく、しかしながら新規就農するにもハードルが高い。このままでは多国籍企業などによる大規模農業化、農薬など化学物質の曝露による生態系の破壊、子供の発達障害等が心配です。国や地方には小規模農業、環境配慮型農業の支援、市民には共に農業のあり方を語り合うことを願います。
(写真:落ち葉で堆肥づくり講座の講師を務めた時のもの)

多様な個性を
受け入れ、育む社会に。

粟谷しのぶ

栃木県矢板市
三児の母、弁護士

三児を育てるシングルマザーです。2020年3月末に栃木県に転居してきました。11歳の長男は発達障害があり、2年近く不登校を続けています。歴史が大好きで正義感があり、でも繊細で敏感な彼は、都会の生活に馴染むことができませんでした。自然に囲まれながら、ようやく彼に明るい笑顔が戻ってきてくれたことを嬉しく思います。

それでも、彼の将来への不安は尽きません。勉強は大丈夫なのか、仕事ができるようになるのか、私がいなくなったときに一人で生きていけるのか…。彼に居場所をください。彼の個性を受けとめてください。多様な個性と価値を包摂し、誰一人として取り残さない社会になっていってほしいと切に願います。

 

主権をもつ
生活者からのメッセージ。
発信プロジェクトを始めます。

みなさま、こんにちは。
私たちは、栃木県内に拠点を持つ、市民有志10名です。
2018年の3月に「こどもの未来にYES!をつくろうネットワーク」を立ち上げて、年に4回、は、「環境と経済」や「食と農」「ジェンダー」「憲法」「市民活動のツールとしてのSDGs」などのテーマで、「暮らし×社会×地域性」を常に横断しながら学び合う集まりを開いてきました。3年目にあたる今年は、これまでの学び合いをもとに、参加者の声を募り、ワークショップ形式の編集会議を開きながら「どんな未来ならYES!と言えるか?未来ビジョンブックをつくろう」という活動を行う予定でした。とはいえ、ブックを作るには費用がかかるし、まだまだ集まる機会も作りにくい。ということで、5月に入り、発起人と有志で相談しまして、さまざまな生活者の声〜暮らしの現場からの視点で、社会や、政治の現場への希望や提案や意思表明〜を発信していくウェブ上のページを立ち上げることにしました。

これまでの勉強会で通底して共有してきたことは、「個々人の暮らしと社会や政治との関わりへの視点を持つことの大切さ」でした。世界的な新型コロナウィルスの感染拡大の状況下で、生活の基盤も危うくなり先の見通しが立たなくなる中で、私たちの「暮らし」や「いのち」は、市町、県、そして国の政治の在り方によって大きな影響を受けることが浮き彫りになり、いち市民の声は、果たして政治を行う人たちや社会のリーダーに届くのか?という無力感にも襲われます。「社会」からは、同調圧力の「矢印」が、場の空気に混じりながら私たちに降りてきます。政治家からは、いつのまにか決定されている「法案」や「施策」が「彼らの主張」の「矢印」となって、私たちに降ってきます。さて、そろそろ、その「矢印」を主権者の側から「逆向きに」放っていきませんか?という、取組みです。また、(諸外国に比べて)日常生活の中で「政治の話がしにくい」、あるいは「政治に無関心な人」が多いと評される日本の「空気」を少しずつ変えていきたい、という取組みです。

民意というものの伝えかたは、選挙での投票、デモや集会、署名、請願、SNS での発信など、さまざまな手法がありますが、この活動は、ひとりひとりの暮らしの現場のリアルを「何千人の中の1」と分子の1に圧縮してしまうのではなく、ひとの暮らしの表情や息遣いをそのままに、ぞれぞれの言葉で積み重ねていくことで「見えてくるもの」を大切にしたいと思います。これから、数日にひとりずつ登場して声を重ねていきます。メッセージ掲載を希望される方は、どうぞお気軽に、フッターに記載の問い合わせ先アドレスまでご連絡ください。

なお、この取組みは、右や左や立場や主義主張を超えた、生活者発信のフラットな取組みであり、特定の政党や政治家、候補者などを支持・支援するものでもありません。

2020年6月吉日
市民メッセージ編集委員会

粟谷しのぶ、倉本芙美、小山博子、廣瀬俊介、福田大樹、松永玲美、簑田理香、阿部和子、杉本聡子、三厨由美