メインビジュアル画像

poetry of earth
with haluta
オープニング
レセプション

9月7日のご報告|撮影:長田朋子
.
ましこのうたライブとビュッフェスタイルで食事を囲むオープニングレセプションは、定員を超えるお客さをお迎えし、大盛況で終えることができました。halutaさま繋がりでお見えになった方々、ライブを楽しみにいらっしゃった方々、益子や益子の作家のファンの方々。入口は違っても、「うたうこと」と「食べること」という生きる上での基本(というと大げさですが)を、素晴らしい空間で共有することができた一体感のようなものを感じずにはいられませんでした。


ライブ
石塚明由子(vo,gt)+イシイタカユキ(gt)+江藤有希(violin)
「益子の歌」「陶芸家の食卓」という「ましこのうた DVD&PHOTOBOOK」収録曲に加えて、今回の企画展のために新しく描き下ろされた2曲も初披露されました。今回の企画展に参加してくださっている、わたねさん、こぶな農園さん、山﨑農園さん、森の扉ナチュラルフード(野原さん)、cayaさんなど、地域の在来野菜を大切に継ぎながら生業を立てて活動している方たちの思想をベースにした「ここで生まれたものだけで」。 こぶな農園さんの「養生通信」という冊子からヒントを得た「さよなら文月」の2曲でした。 こうして、土地や、そこで暮らす人から受け取ったギフトが、新たな表現となり、人や土地にギフトとして返され、新たに繋がる人へもギフトとして渡されてゆく。風土と表現をめぐる「人」と「人」の繋がりは続いてゆきます。

わたねさんの食事
当日、素晴らしいビュッフェスタイルの食事をつくってくださったのは、益子の北に位置する市貝町の「わたね」の 倉本 祐樹 さん芙美 さんご夫妻です。おふたりがつくるお弁当や、ケータリングの食事は、「種まきから始めるお弁当」です。有機農家でもあるご夫妻が育てる野菜は、年間に80種以上。土から、種から、食事をつくる。私たちがいただく、料理のひとくちひとくちに、四季を通じた、里山の自然の恵みと、そこで自然と良い関係を結びながら、汗を流し、手を動かす「ひと」の思いが込められています。いまは、都市部のレストランなどでも、野菜の産地や生産者の名前を紹介するお店が増えていて、いただく食事の背景なども見えやすくはなってきている面もありますが、土から、種から、野菜を育てている
「ひと」がつくる料理を、ご本人のお話もうかがいながら、目で楽しんで、心で感じながら、いただく、そんな「本当のぜいたく」な時間をお過ごしいただけたとおもいます。プレゼンテーションの美しさ、素晴らしさ、そして滋味深い味わいに、いたるところで、「人参美味しい!」「大豆がこんなに美味しいなんて!」などなどの声が上がっておりました。


わたね、という屋号には、「わらう、たべる、ねる、それが暮らしの大切な基本」という、おふたりの考えが込められています。それは、ただ、お仕事(つまり商売)としての外向けの言葉ではなく、ふたりのお子さんを自然の中でのびのびと育てながら、自分たちとって、より健康的で心の在り方も自然でいられる、そんな「生活」を創造し続けている倉本家の生き方そのものだと、もう7、8年のおつきあいになる私は感じています。倉本さんの「これまで」を簡単に紹介しますと、岡山出身の祐樹さんは、思うところあって、インドを中心にアジアをまわり、現地でのボランティア活動などを経て帰国。そして、縁あって最初に住んだ地が、栃木県の市貝町。出会った仲間とともに、環境保全や若者支援の非営利型活動の立ち上げに関わります。その後、宇都宮出身の管理栄養士でもある奥様の芙美さんと、宇都宮市内で「2tree café」という屋号で、ミュージシャンを始めいろんな人が集うカフェを営みます。さらにもっと「暮らし」を考えていく場を持ちたいと、宇都宮市内で農家の大きな家を借りて、畑で野菜を作りながら、祐樹さんは、あらためて和食の修行に入り、また、市貝町の有機農園の研修生となって、次のステップへの準備を始めます。その間、芙美さんは、ふたりの子供を育てながら、お母さん仲間と「暮らしの寺子屋」として、環境、教育、平和、ジェンダー…など、さまざまに学び合う場づくりを進めていました。
おふたりが「わたね」の場に選んで移り住んだのは、益子町の北につながる市貝町。町をあげて里山里地の保全や環境づくりに取り組んでいて、新規就農者の移住も多く、協力し合うコミュニティがあり、お隣から見ていても、とても素晴らしい地域です。
わたね http://wa-ta-ne.blogspot.com

それから、会場の空気感を、一瞬のうちに八溝の里山に変えていただいたのは、花の人・小春丸さん。茨城県在住の小春丸さんは、益子でも花活け教室を開かれたり、益子のアートイベントの祭「土祭」にアーティストとして御参加いただいたり、ご縁のある方です。ライブ終了後、会場にて、成井恒雄さんの花器に野山の草木を生けこみしてくださいました。

うたう。食べる。つくる。生きる。
出演の皆さま、ご参加の皆さま、ともに佳き時間を作っていただき、
ありがとうございました。